慶応四年(明治元年・一八六八)に明治維新が成り、「慶応が明治」に「江戸が東京」に変わり、翌年の明治二年の初秋には「蝦夷地」と呼ばれていた俗称が、開拓使によって「北海道」に決まった。明治初頭の北海道の黎明期に、この地で何が起こっていたのか。
戊辰の内戦を潜って、蝦夷地という極寒の原野に引き込まれ、時代に突き動かされた人々の苦難の物語があった。
【幕末維新の北海道の歴史小説、完成!】
小説『五稜星』侍、西蝦夷を駆る!
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著者/千葉 正樹
【著者からのメッセージ】
明治2年8月15日(新暦1869年9月20日)に、それまでは「蝦夷地」と呼ばれていた北海道が、開拓使の松浦武四郎の提案で、正式に「北海道」と命名されました。それから150年後の平成30年(2018)が、その節目の年にあたります。
では、「北海道の150年前は、どのような姿であったのだろう?」
筆者のこのような初歩的な疑問から、コツコツと史実を発掘していく過程で、形になっていない「手探りのあの時代」が見えてきました。
「北海道の150年前」を理解する上で、明治維新前の「蝦夷地の江戸時代」を知ることが重要でした。明治維新直前の慶応3年(1867)の、政権が江戸幕府から朝廷側に急激に変わっていくきっかけの「大政奉還」と、その直後に勃発した「戊辰戦争」から紐解かねば! というのが、この小説の重要なテーマになったのです。
従来、多くの歴史小説やドラマ、映画などの構成の軸は、主人公である人物(実在の人物であればなおのこと)と、その人にまつわる時代のエピソードが中心となって展開されますが、この物語では、フィクションの主人公を自由に動かし、史実と実在の人物を物語の展開(むしろ脇役として)に絡ませています。
さらに、時間と空間の立体感のある表現を試み、物語のリアルな状況を解りやすくするために、地図と事象の解説を添えていますので、映画を観るような気軽さで読んでいただけると嬉しいです。
【小説のあらすじ】
物語は、慶応4年(1868)の夏。雨が降り続く江戸の上野戦争の戦場から始まる。
主人公は江戸城勤務の若い御家人「大全州之助」(フィクションの人物)。脇役には、同じ江戸城勤務の同僚「斎藤鉄太郎」と「福島直次郎」が絡む。
三人は、戊辰戦争が北上した上野戦争の彰義隊に従軍し、敗走して逃げる途中で逸れ、州之助は品川沖から幕府軍の榎本艦隊に乗艦する。
鉄太郎と直次郎は、徒歩で仙台を目指すが途中で逸れてしまう。鉄太郎は仙台の松島湾から、榎本軍に加わり州之助と再会するが、福島直次郎は途中で別行動になりバラバラになる。榎本軍は北上して箱館戦争を開始する。
この三人が幕末維新の混沌の中で、箱館戦争から西蝦夷(石狩湾岸)へ冒険活劇のように動かされていく。彼らは各地でアイヌとも出会う。そして箱館戦争でも負けて新政府軍の捕虜となるが、開拓使に雇われて箱館から、長万部、岩内、余市、小樽内、石狩を経由して、別々に未開のサッ・ポロ本府の開墾に従事することになる。
物語は、江戸出身の三人の下級武士たちと絡みながら、史実に沿って榎本釜次郎(武揚)、高松凌雲、村橋久成、松浦武四郎、島義勇、岩村通俊、早川清太郎、黒田清隆などの、この時代の北海道開拓期の主人公たちが随所に登場する。
三人の中の斎藤鉄太郎と福島直次郎は、実在の人物といわれている。